この前、家の前に林檎が落ちていました。
童話に出てきそうな林檎でした。
葉っぱがついている林檎を、僕はリアルで初めてみました。
「ここは本当に現実か?」
僕は、自分にそう問いかけました。
そのときふと、可憐なドレスに身を包んだお嬢さまが僕の脳内を駆け回りました。
七人の小人たちに囲まれて楽しそうに笑う彼女は、そう遠くない未来に悪い魔法使いの毒牙にかかってしまうことなど、微塵も考えていないようで——素敵な王子様との出逢いが待っていることなど、夢にも思ってはいないようで。
人生、なにが起こるかわからない。
毒で始まる出逢いもある。
この林檎は、僕にそれを伝えるための
白雪姫の落とし物だったのかも。
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