どうも、小学校の時に捕り逃がした巨亀が未だに忘れられない大学生、ツリーです。
さて、みなさんは、『浦島太郎』という愚かな青年の物語をご存知だろうか。
カメに殴る蹴るの暴行を加えていた三人の少年を諫め、そのカメに招待された竜宮城に行き、そこで身体までもが時間を忘れるくらい飲み食い遊び、現世に戻るとおじいさんになっていた。
という、わかりやすく悲惨な人生を過ごすことになった青年が主人公の昔話です。
さて、よくよく読むとこわ~いこのお話ですが、なんだか似たような話を身近で聞くことはありませんか?
「あ~、大学ずっと遊んでたらいつのまにか社会人だわ~……やべえ、俺なんもしてねえ」
これは浦島タイプの学生は桃太郎とか金太郎をちょっとは見習えという内容の記事です。
あなたが受け取った卒業詔書の中身は空っぽの時間を含んだ残酷な煙だった、なんてことになりませんように。
1. 過ぎた正義感は身を亡ぼす
浦島太郎の失敗はそもそも、どこから始まったのか?
ひどいことを言うようですが、それはずばり「亀を助けたから」です。
たしかに、悪を挫いて弱気を助ける正義感は素晴らしいものです。それは人間として、心と理性を授かった生き物としてあるべき、正しい姿でしょう。
でも、それで自分が割を食っていては、お話になりません。現実ではおとぎ話にすらなりません。だれかの幸福のために自分が不幸になっては、本末転倒です。不幸と幸福の量は等価でなくてはならない、みたいなバランス感覚はまったくもって必要ありません。みなが自身の幸福を最大限にすることに躍起になれば、自然と人類の最大幸福数は増加するはずです。
大学生活でも、ついつい他の人の問題解決にかまけて、肝心の自分の生活を疎かにしてしまうこと、ありませんか?
お金がない、課題が終わらない、恋が実らない……あなたの周りには、あなた以外の人間の悩みや不幸やストレスで溢れかえっています。その場合は、手を差し伸べてあげるべきでしょう。話を聞いてあげるべきでしょう。助け合いが人間の最大の武器です。
でも、これだけははっきりと断言しておきます。
“まずは自分のことを第一に考えろ”
たぶん浦島のことだから、相手がただのガキじゃなくてムキムキのマッチョマンでも亀を助けるために突っかかっていったことでしょう。もしかすると、そこでボコられて入院してちゃんちゃん、みたいな展開もあったかもしれません。
しかしそういうとき、あなたはまず自分の身を守ることを最優先するべきです。見捨てろというわけではありません。より無難な解決法を探るのです。親や教師、警察や国家、頼るべき大人たちは大勢います。
「あいつを救えるのは自分だけだ」みたいな過信はやめましょう。そういうのが似合うのは赤い帽子を被った配管工のおっさんくらいのもんです。
2. 断る勇気を持て
とはいったものの、やはり人助けは善行ですよね。その行為を摘んで「こら! だから助けるなと言ったのに!」などと罵るつもりは毛頭ございません。
わたしが首根っこを捕まえて「ほれみたことか」と叱ってやりたいのは、むしろ浦島の次の行動です。
亀の誘いを受けて竜宮城に行きました
……って。いやいや、さすがに自己防衛本能が希薄過ぎじゃありません?危機管理能力がゼロ地点突破してマイナスぶっち切ってないですか?
だって、亀ですよ、亀。そして行先は海ですよ、海。この上なく怪しさマックスだし、普通に溺死しますよね、これ。
サングラスに黒スーツの兄ちゃんが黒ワゴンのドア開けて縄と拳銃チラ見せさせながら「お菓子あげるから、ちょっとうち来ない?」って誘いかけてくるほうがまだ生存確率高いですよ。だって相手人間だもん。
まあ、ファンタジーが基本のおとぎ話にあれこれ言ったってしょうがないですが、ここから学べることは要は、安易な誘いには気軽に乗らないほうが身の為ですよーってことです。
人生は子宮から棺桶まで、どこまで行っても甘味の毒で溢れているものです。そして大学という場所には、特に『美味しい話』が横行しています。自分からやりたいことに尽力して、進んで掴み取ったチャンスなら絶対モノにするべきですが、ふいに転がり込んだ牡丹餅的な儲け話には、裏や影が付き物です。必ずとは言いませんが、その可能性は高いです。
竜宮城なんて、ほぼ麻薬みたいなもんですからね。毒は依存性が高いので、一度吸い込んでしまう前に、嫌なものや受け入れがたいものは断る勇気を持ちましょう。
3. ご遊戯は計画的に
亀を助けて、言われるがまま海に潜った。浦島の悲劇はこれが発端であり序章ですが、ここまでは、まだ引き返す余地はありました。彼の最大の失敗は、『遊び過ぎたこと』に他なりません。
この教訓に関しては大学生諸君、そのまま受け取ってもらって結構です。遊んで飲んでばかりいて単位を落として留年してしまう学友を、わたし自身も幾人も目にしてきました。それは非常に悲しいし、もったいないことです。
ただ一言。遊ぶのは自由だけど、全部自己責任だからね。
4. 思い出せ。あの竜宮城の体験を。
そんなこんなで無為な時間を過ごすことになった浦島青年は乙姫との約束を破り、浦島おじいさんとしていきなり老人となったわけですが、だからといってすべてが無駄だったというわけではありません。
体感ではほとんど一瞬だったとはいえ、彼はあの場所で数十年という時間を過ごしてきたのです。そこでなにかを感じ、考え、生きていたはずなのです。
大学生活も同じです。一瞬で終わってしまったと思っていても、なにもしていないなんてことはないのです。きっと、なにか得たものがあるはずです。ぜひそれを、思い返してみてください。
無駄を無駄にしない。
それが、なにかを成し遂げるための第一歩です。
いいじゃないですか、悠々自適な竜宮城生活。鬼ヶ島での合戦や熊との相撲だけがヒーローの見せ場ではないはずです。
さあ、ここから。
あなただけの物語を、紡ぎましょう。
それでは、また次の記事でお会いしましょう!
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